オンロードオフロード問わず様々なライディングレッスンや講習会に積極的に参加し、貪欲に技術を磨いているあやさん。

    それはただバイクが楽しいからだけではなく、バイクに対してネガティブなイメージを持つご家族のためにも「安全に事故なく乗りたい」という気持ちがありました。そんなあやさんのバイクへの思いを伺ってみました。

     

     

    ●免許をとって何年になりますか?

    えっと・・・(免許証を確認)27年の7月なのでもうすぐ3年になります! 実は大型バイクの免許も持っているんです。その年の冬に大型二輪の免許も取りました。


    ●免許をとったきっかけは? 

    社会人になりたての頃、学生時代に興味を持って勉強をしていた分野とは違う分野の配属になったんです。

    仕事自体は楽しかったんですが、うまく対応ができなくて休みの日も仕事のために専門書を読んだり、準備をしていた日々。

    休みも仕事のことばかり考えていて、いつの間にか追い詰められていました。

    「このままでは自分がつぶれてしまう」「仕事とは違う別の趣味を持った方がいいな。」

    そのときに、人生あと5年あるとしたら何がしたい?と、自分に問いかけてみたら

    「そういえばバイクに乗ってみたかったな」

    ふと思ったんです。特に興味があったわけでもないのに、なぜかバイクが浮かんだのです。

     

    ●なぜバイクが思い浮かんだのでしょうか?
    大学生の時、親のすすめで車の免許を取りに行くことになりました。

    あまり気が進まなくって冗談で「バイクの免許が欲しい」と言ったら、「バイクはダメ!死んじゃうから」と、言われました。

    当時は本当にバイクに乗りたかったわけではなく思いつきで言っただけですが、絶対ダメと言われたことに「もやもや」と、した気持ちになった記憶はあります。バイクに乗りたいと思ったことはないのですが、その時のもやっと感がどこかに残ってたんですかね!?

    自分が今まで経験したことがないことをしてみたいと思ったときに浮かんだのがバイクでした。 バイクを買うとか、こういうバイクライフを送りたいとかではなく、ただバイクに乗ってみたかったんです。

     

    ●反対するご家族を押し切ってバイクの免許を?

    車の免許はまだ学生だったので、親がお金を出してくれました。イヤイヤ免許を取りに行ったのですが、 バイクの免許をとろうと思ったときはもう社会人だったので自分で働いたお金だし、親に許可をとるような年齢でもないと思い、特に相談もせず教習所へ申し込みに行っちゃいました。

     

    ●教習所でバイクに初めて乗った時はどうでしたか?
    私は運動経験がないんです。だから体力も筋力もない。

    家族はバイクに乗りませんが「バイクって重いんだよ。取り回しとか引き起こしとかできるの?ムリでしょ」と言われてしまいました。

    とりあえず教習所に行ってダメなら仕方ないくらいの気持ちで通い始めました。

    初めてのバイクは怖かったです。重いし、大きく感じたし、教習中はいちども自力でバイクを起こせたことはありませんでした。

    その上、車の免許はATで取ったのでギアチェンジがよくわからなかった。

    バイクの操作は手と足をいっぺんに動かすのでそれも大変でした。

    卒業できるか心配なほどでしたが、教習はすごく楽しくて毎回楽しみにしていました。

     

    ●免許取得前にモトクロス体験に行ったそうですね。

    いよいよ卒検となった時、「万が一落ちてしまった場合、次の試験までは間をあけない方がいい」と、教習所の方に言われたんです。

    水曜日と日曜日が卒検の日でその間に補講があったのですが、勘違いをして、補講がないと思ってしまいました。

    それなら「自分で練習するしかない!」と思い、免許がなくてもバイクに乗れる場所を探したら「モトクロスごっこ」が見つかったんです。

    自主的な補講のつもりで予約をしました。 ところが、卒検受かったんですよ(笑)。

    でもせっかくなのでモトクロスごっこに行ってみることにしたんです。

    ●初めてのモトクロスはいかがでしたか?
    オフロードバイクやモトクロスのことなど何にも知らずにオフロードヴィレッジに行きました。

    初めてのオフロードコースを見て「ぼかーん」としましたよね。

    「こんなところ(土の上)でもバイクって走れるんだー!」って

    コースではバイクが飛んでいて「すごーいっ!!」と驚きました。

    教習所のバイクしか乗ったことがなかったので 「キックしてください」と言われて意味が分からず、バイクを降りました。

    キック=バイクを蹴飛ばすのか!?と。笑

    でも楽しくて夢中になって走っていたらあっという間で翌月もう一度バイクに乗ったことのない友人を誘って行ったくらい楽しかったです。

    モトクロスごっこに参加して「オフロード」というジャンルがあること。

    オフロードバイクは軽くて取り回しがしやすいバイクであることを知ることができたのはとてもよかったです。

    バイクを買うことを考えはじめたとき、やはり大きさや重さが気になっていました。

    モトクロスごっこへの参加が、オフロードバイクが欲しいと思うきっかけになりました


    ―こうして晴れて免許を取得したあやさん。

    ●その後講習会やスクールに通うことにしたのは?
    オフロードバイクを買おうと決めたものの、シート高が高いので足つきが気になっていました。

    HONDAのXR230かYAMAHAのセローか迷っていた時、XR230は中古車両の実物を見る機会がなく購入に踏み切れずにいました。

    免許を取ってから自分のバイクに乗るまで間が空いてしまう・・・。

    教習所時代、2週間ぶりに教習に行ったら立ちゴケしてしまったんです。

    だから間が空いたら乗れなくなってしまう気がしたのと、公道に出るのが怖かったんです。

    車のように路上教習がないのでいきなり公道を慣れないバイクで走るのは不安でした。

    そこで知人に教えてもらったHMS(ホンダ・モーターサイクリスト・スクール) に参加してみようと思いました。

     

    ●最初の講習で色々学んだことがあったそうですね。

    車両を選ぶときに排気量が小さい=乗りやすいと思い、スクールで使う車両選びでCBR250RRを選んだんです。
    乗車姿勢もエンジンブレーキの感じも教習所で乗っていたCB400SFとまるで違うもので戸惑いました。
    結局30分でギブアップしてしまいました。
    その時インストラクターさんに、排気量だけではないCBの乗りやすさについて教えていただき、教習車になっていることに納得しました。
    その後もインストラクターさんがマンツーマンでアドバイスしてくれました。 インストラクターさんの後ろにも乗ったときもびっくりしました!! 「バイクってこんな動きをするんだ!」って。
    速度だけでなく、操作も滑らかでバイクを寝かしてもコケないし。
    バイク=乗るものと思っていましたが、バイクは「操るもの」なんだと思えました。

    ●ますます意欲的に講習会へ
    免許を取って最初の1年はHMSへ月一回ほど通い色々なコースを受講してみました。

    バランスコースを初めて受講した時は戦意喪失しました・・・。速い=怖い・難しいと思っていたら、低速の方が難しいとは体験するまで気が付きませんでした。それ以外でも最初の頃はついていけなくてこっそり泣いていました。

    免許を取って2年目からは自分のバイクで練習してみたいと思い、それ以外の講習会にも行ってみることに。 (柴田と初めて会った)小鹿野のイベントは、初めて地元から外に出た日だったんです。

    初めての遠出だったのに、表彰されて驚きでしたが、緊張と興奮のせいかその帰り道は終始足がつってしまいました。

    ただでさえ足つきが良くないランツァなのに笑。

    こうしてだいぶバイクや走りに慣れたころ出かけようとしていたら母に「私はバイク反対だからね!」って、突然言われたんです。

    安全に乗る努力をしてきたつもりなのにまだ言われるんだ・・・。 だからこそ絶対に事故はできない絶対にケガはしたくない。 安全に事故なくバイクに乗りたいと思いました。

     

    最近は大体2週間に1回。いや毎週どこかしらのスクールや講習会に参加している月もありますね。 あらためて見てみると(いっぱい行きすぎていて)気持ち悪いですよね。。。笑

     

    ●スクールや講習会に通ってよかったことは?

    HMSに初めて行ったとき驚くことが多かったけれど、実は「2回目はないな」と思っていました。

    周りの参加者は普通にバイクに乗れていて、私のように発進や停止でバイクを何回も倒したり、アクセルを開けられない人はいなかった。

    周りが当たり前のようにできることができなくて恥ずかしいし、すごく落ちこみました。

    「もっと乗れるようになってから来るところだったのでは!?」「そもそも乗れるようになるのか…」「やっぱりバイクなんて無理だったんじゃ…」と思いました。 

    でもインストラクターさんが

    「バイク好き?いっぱい練習したら上手になってもっと好きになるよ。」「またおいで。」

    と、言ってくれて。

    単純なので、そう言ってもらえたことで気持ちを切り替えることができました。

    しばらくするとまた乗れなくなる不安が出てきて、

    勇気を出して申し込む→参加して落ち込む→イントラさんや常連さんが励ましてくれる→気持ちが切り替わる

    を、繰り返していた気がします。

    スクールや講習会に参加してよかったことは、技術が向上して、たぶん人並みには、少なくとも公道で不安を感じることなく走れるようにはなったこともありますが、一番は多くの先輩ライダーに出会えたことだと思います。

    不安な時に先輩達から「大丈夫。」と言ってもらえることで気持ちが楽になることが沢山ありました。

    あの時のあの言葉がなければバイクを諦めていたかもしれないと思うこともあります。

    指導員さんからアドバイスや、講習会の開催を教えてもらって参加していく中で知り合いも沢山増えました。知り合った方からオフロードやツーリングのお誘いを頂くことでバイクの楽しみ方も更に広がっていますね。

     

     

    ●色々チャレンジされている印象です。
    子供の頃見かけていたバイクの印象はツーリングのイメージでした。

    それは教習所に通っていた時も同じでしたが、モトクロスごっこに参加したことや、モタード・エンデューロレースに参戦されている方と知り合いになって、レース観戦や色々なイベントに参加しているうちに 「バイクってこんな世界もあるんだ」って驚くことばかりです。

    だからバイクに関すること色々やってみたいなと思っています。

    何が自分に合うかわからないですもんね♪ 昨年デビューしたモトクロスレースもその一つでした。

    最近興味があるのはトライアル。これも初めて見たとき衝撃的でした。

     

     

    ●初めてのモトクロスレースに参加してどうでしたか?

    すごーく緊張しましたよね!人と競うのは苦手だし、諦めやすい性格なので向いてなさそうだなと思っていました。

    でも、参加してみてレース本番という緊張感の中でしかできない走りがあったし、レースに向けて初めて1人でコースに行ってみたり練習するのも楽しかった!もっと上手くなって他の選手と勝負できるようになりたいと思えました。今後も機会を見つけて積極的に参加したいです!

     

     

    ●モトクロスやオフロードを走ってからの変化

    オフロードを走るようになってからバイク自体?を信頼できるようになった気がします。

    それまでは道路のちょっとした段差や凹みが怖かったのですが、これくらいは大丈夫!と思えるようになりました。

    あとオフロードは公道よりもバイクが予期せぬ動きをすることもあるので、そんな時にバイクをコントロールする力が求められる気がします。

    オフロードを走る前はリアタイヤが滑ったらパニックになっていたと思うんですけど、今もヒヤッとはしますが、反射的に足を出せたりと予期せぬ動きをした時の対処が少し身についたのではないかと思います!

     

     

    ●愛車との出会い
    XR230に乗りたくて探していたのですがなかなか見つからずバイクショップ巡りに疲れたころ、友人から「YAMAHAのDT230ランツァを譲ろうか?」という話を頂きました。私にとっては聞いたことのないバイクでしたが試乗をしに行ったときに「2スト版のセローのようなもの。」と言われたこと。シート高を下げてくれる(のちにバイク屋さんに元の高さに戻される)ということで、早く自分のバイクが欲しかったので譲ってもらうことにしました。当時2ストの意味を分かってなかったんですけどね・・・。

     

    三宅島エンデューロレースの後に譲り受けたのですが、レース後だからか車体はボコボコだしマフラーのところには溶岩が挟まっていたりして最初に見たときとは違う感じのバイクになっていて 「事故にでもあったのか!?」と思いました・・・。 シート高も高くて苦労しましたが、慣れてくるとお尻をずらして足を接地させることができるようになり、今ではシート高はそこまで気にならなくなりました。

     

    そして昨年の夏にMT-03を購入しました。

    もっと遠くに行きたいと思って、燃費が良くってタンク容量もランツァより大きいもバイクが欲しいなと思ったんです。

    MT-03を選んだのは見た目。

    かっこよかったしネイキッドタイプが欲しかったんです。 モーターサイクルショーでまたがった時、押し引きもそれなりにできて、軽すぎず重すぎず安心感があったのも決め手でした。

     

     

    ●バイクに乗ってよかったなと思う時は?

    先ほどの話と重なりますがバイクに乗ったことで出会えた人が沢山いること。

     

     

    これまで電車で行っていたところに、バイクで行くことができたとき。「すごいじゃん!!」って思いました。 今までできなかったことが経験できるのもいいですね。


    バイクに乗っている時は仕事のこと考えないのでいい気分転換になっています。 週末の楽しみのために仕事をしている感じです。もちろん仕事も一生懸命ですよ。


    ●この先どんなライダーになりたいですか?
    まずは安全に乗ること。

    最近バイクを操ることの楽しさもわかり始めてきました。遅くても自分の思い通りにバイクを操りたい。 そしてかっこよくキレイに乗りたいです。バイクに乗っている方はみんなバイクが好きな気持ちは一緒。 さらにかっこよく乗れたら素敵ですよね。

    あとは知識・技術・マナーのあるライダーになって、いつか初心者ライダーの助けになれたらと思っています。

    まだまだ知識も技術もないし、全然余裕もないのでこちらは最終的な目標です。

    バイクは見方によっては事故が多いとかマナーの悪い印象があると思うんですけど、きちんとしている人はきちんとしているし、積極的に交通安全のために活動されている人がいることももっと知られてほしいなと思います。

    生まれ育った地元から→小鹿野→県外へと少しずつバイクで行動する範囲が広がってきました。 いつか北海道にツーリングに行ってみたいです!!

     

     

    ●最後にメリリーモトについて。参加してみていかがですか?

    メリリーモトは実は柴田さんにお会いしてみたくて最初申し込みました。柴田さんに会えるしオフロード走れるし楽しそうと思って「モトクロスしませんか?」に申し込みました。

     

    ちょうど講習会ばかりでなく、今年はツーリングにもチャレンジしようと思っていた時だったのでツーリング企画にも参加しています。1人で遠出するにはまだ勇気がいるのでツーリング企画はありがたいです。

    毎回、メリリーモトでしか体験できない企画が楽しみです。

     

    ●柴田のインタビュー後記

    アクティブに行動している印象のあやさんですが、実は恥ずかしがり屋さん。

    このインタビューを打診したとき「恥ずかしいので・・・。」と断られていました。 が、ある時「インタビューいいですよ!」との連絡が。

    これはあやさんのちょっとした勘違いでインタビューを受けて下さることになったのです。 私にとってはラッキーな勘違い。

    ちょっとおっちょこちょいでおちゃめなところもかわいらしい女性です。

    「私の話なんて特別なことないです・・・」と、インタビュー当日も不安そうにしていましたが

    「人に聞いてもらうと結構話あるものですね!!」とのこと。 ああよかった!!ほっとしました。

    メリリーモトのイベントにもよく参加してくださっているので、そのことも聞いてみたらうれしい言葉もいただきました。

    言わせちゃったみたいですみません・・・。お気遣いだとは思いますが、自分で書くのは恥ずかしいので私の心の中にしまっておこうと思います。 免許を取って3年。ますます行動範囲も広がりそうな予感。

    あやさんの楽しんでいる様子がご家族に伝わっていつかバイクに乗ることを認められるといいですね。

    北海道ツーリングの話も楽しみにしています!!安全に楽しくこれからも走り続けてくださいね。あやさんありがとうございました。